〒020-0133 岩手県盛岡市青山2-6-20

ブログ BLOG

歯科に3ヶ月ごとに通うだけで、30年後の未来が変わる!〜アクセルソン博士の論文から〜

たった3ヶ月に一度、で未来が変わるとしたら?

――30年後のあなたに「ありがとう」と言われるために

こんにちは。歯科医師の松浦直美です。
「デンタルサロンの窓から」へようこそ。

2010年に当院を開院したとき、私たちはある言葉を掲げました。

「痛くなくても来てください」

「痛くなったら行く場所」ではなく、
「健康を守るために通う場所」としての歯科医院。

そしてその考えを、科学的に力強く裏付けてくれたのが、
スウェーデンのアクセルソン博士たちによる、ある壮大な研究です。


 

30年間で、歯をほとんど失わなかった人たち

 

舞台は北欧、スウェーデン中部の町カールスタッド。アクセルソン博士(Per Axelsson)率いるチームは、ある壮大な研究をなんと30年に渡って続けました。

30年もの間、研究のために何をしていたのか?
何か特別なこと?

・・・いいえ、彼らが行なっていたのは、以下の3つのシンプルなことです。

  1. 患者への説明とセルフモニタリング支援
     患者が自分の口腔内の状態を理解できるよう、わかりやすく説明。自分の変化に気づけるようにします。

  2. ブラッシング指導とセルフケアの強化
     毎回の来院時に、正しいブラッシングやフロスの使い方を確認・指導。生活習慣の定着を図ります。

  3. PMTC(プロによる歯面清掃)
     歯科衛生士などの専門家が、専用の器具で歯垢(バイオフィルム)や歯石を徹底除去。セルフケアでは届かない部分をクリアに。


たったそれだけを、3ヶ月に一度、30分ほどのケアを30年続けただけで――
その患者さんたちは、1人あたり平均0.4本しか歯を失わなかったのです。
これは、何もケアを受けなかった人たちと比べて、10倍以上の差と言われています
(Axelsson & Lindhe, 1981/Axelsson et al., 2004)。

この数字は、ただの統計ではありません。
**「歯は、守れる」**という事実を私たちに突きつけた、希望の数字だと思いませんか?

歯を守る人は、人生を守っている

 

私が長年診療してきて感じるのは、
「歯が健康で、しっかり噛んでいる人は、表情も姿勢も声も違う」ということです。

80代になっても20本以上の歯を保ち、
「虫歯ゼロ」「口臭なし」「はっきりとした声」「堂々とした姿勢」――
そんな方々には、若々しさと凛とした美しさが漂っています。

「しっかりとした歯がたくさん残っている」ということは、
見た目がよく、食事がしやすいというだけではありません。
人と話すことが楽しくなり、笑顔が増え、
自分らしく社会の中で関わっていける自信につながっていく
のです。

そして何より見逃せないのは、歯周病と全身疾患との深い関係です。
歯周病は、糖尿病や心筋梗塞、脳卒中、さらには認知症のリスクを高めることがわかってきています。

つまり、定期的な歯科メインテナンスは、
歯を守るだけでなく、「体と人生」を守る行動でもある
のです。

 

3ヶ月に一度の時間は、確保可能!

3ヶ月に一度、歯医者に行くなんて大変。
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、美容院や床屋、ネイルサロン、まつ毛エクステには1〜2ヶ月ごとに予約を入れている方も多いはず。
ヨガ教室には、1週間に一度、行っていませんか?

歯のメインテナンスも、それと同じ「自分のためのケア」なのです。

しかも歯科は、たった40分ほど、3ヶ月に一度
費用も、保険適用で3割負担の方でも3000円台。
時間と予算をつくることは、多くの方にとって簡単なはずではないでしょうか。

忙しい方へのおすすめは、「メインテナンスが終わったら、その場で次の予約を入れてしまうこと」。
予定帳やスマホのカレンダーに入ってしまえば、意外と予定を動かさないもの。不思議と続けられるものです。

歯科は「治す」場所から、「守る」場所へ

デンタルスクエアもりおか青山では、スイスEMS社の最高メインテナンス機種を使用したGBT(Guided Biofilm Therapy:ガイデッドバイオフィルムセラピー)メンテナンスを導入しています。

染め出しで磨き残しを“見える化”し、優しいパウダーで歯と歯ぐきを傷つけずに清掃し、虫歯や歯周病の早期チェックと次回メインテナンスのご案内まで、一貫した快適なケアを行います。

歯や歯茎に残っている汚れ(バイオフィルム:細菌の塊)を破壊するために行うPMTC(プロフェッショナルクリーニング)のやり方は、歯科医院によって少しずつ違いがありますが、このエリスリトールパウダーを使用したパウダークリーニングは、おそらく最も効果的に、歯を傷つけずにバイオフィルムを破壊、除去できる方法であると思っています。

このような習慣を続けることで、定期メインテナンスは単なる“歯の掃除”ではなく、「歯を守る」「健康を守る」「人生を守る」ための、大切な時間となるのです。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
デンタルスクエアには、毎月800人もの方が、GBTメインテナンス(ガイデッドバイオフィルムセラピーメインテナンス)を受けに通院されています。
セルフケアの確立と、定期的なバイオフィルムの除去、なんでも相談できる歯科医院の存在。

この3つが合わされば、生涯歯のことで困ることはないと言っても過言ではありません。