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英国でも、活動を開始します。〜日本人による日本人のための乳幼児検診〜

こんにちは。副院長の松浦直美です。

さて、今回は、2月6日にロンドンで行われた乳幼児検診のお話です。

ロンドンですって?

そうです、私は今、英国の日本人の方を対象にした、予防歯科診療、相談などの活動を始めるため
現在準備を進めています。

3月号の院内新聞のコラム「歯科医師夫婦のつれづれ手帖」に少し経緯を書いてありますので
ご興味のある方は覗いてみてくださいね。

「第127回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖」はこちら!

さて

冬のロンドンは、本当に寒くて、そして驚くほど暗いのです。

この季節は本当に気持ちをしっかり持たないと大変です。

夏目漱石が留学中に心を病んでしまったというのも、頷けます。

でも、この日はなんとこの青空。透き通るような気持ちの良い空が広がっていました。

 

 

そんな中、「日本人医師、歯科医師による日本人向け乳幼児検診」が

ロンドンの西、「アクトンタウン」チューブステーションから徒歩10分ほどのところにある

アクトンガーデンズコミュニティセンターということろで行われました。

 

 

児童精神科という分野で、ロンドンの西のエリアで開業されている女性の先生の発案で
行われたこの検診でしたが

医師、歯科医師(私)のほか、看護師さん、臨床心理士さん、歯科衛生士さん、保育園の職員の方など

平日にもかかわらず全員ボランティアで集まりました。

 


大丈さまざまな貸し出し用の部屋が並ぶコミュニティセンター。
予定の時間になってもドアがなかなか開かずやきもきしましたが
やっと気の良いおばさんがドアを開けてくれた時にはすでに時間が押し気味で、みな、準備におおわらわ。

 

 

平日の朝早くの開催だったにもかかわらず

0歳〜6歳まで、定員いっぱいの方々が受診してくださいました。

 

今回の乳幼児検診で気づいたことは

やはり海外で子育てをしている方々の情報の圧倒的不足。

 

どのような歯磨きをしたら良いのか

フッ素歯磨き粉はいつからどのように、何を使ったら良いのか

いつまでストローを使ったら良いのか

指しゃぶりがあるけど大丈夫なのか

そもそも虫歯があるのか

 

日本の予防歯科で定期検診を受けている親子であれば

当然受けられる情報や指導を

全く受ける機会がないのです。

 

そして、虫歯菌を感染させないために食器に気をつけているとか

そのくせご両親は定期検診をしばらく受けていないとか

 

最新の予防歯科の指導とは少し違う情報を信じ

お子様の虫歯予防の努力の方向が違う方もみられました。

 

すべては、情報の不足と

近くに気軽に相談できる歯科医療機関がないこと。

 

イギリスのHNSでは1年に2回 無料でお子さんの検診が受けられるという素晴らしいシステムが

あるそうですが、そのことすら知らない方も多く

知っていたとしても受け入れ機関の不足で大変な待ち時間があるそうです。

 

イギリスの歯科医院は、診療報酬が低く診療内容も限られるNHSでの診療を

一切行わないところも増えているので

余計にそのような現象が起きているのでしょう。

 

日本でも、診療報酬は決して高いとは言えませんが

だからといって保険診療をいっさいしないという歯科医師はごく少数派で

ほとんど全ての医療機関で、安価な費用で保険治療があっという間にうけられる

日本の医療制度は、やはり他に類をみないサービスだと思わずにいられません。


このことは、国内に暮らしているとは言え
多くの方に知って欲しいと思いますし
この恵まれた権利を放棄せずに、しっかりと
歯科医院に定期メインテナンスに通院していただきたいなと思います。

日本は、こんなに簡単に、そして安価に
歯科医師、歯科衛生士に会いに行くことができて
最新の予防の情報、グッズが手に入る
天国のようなところなのですから。

 


全員ボランティアで集まった在英医療従事者の方々と。