こんにちは。
「デンタルサロンの窓から」へようこそ。
今日は、当院でもとても相談の多い「前歯のガタガタ」のお話です。
特に、下の前歯が生え変わる頃になると、乳歯の時には気にならなかったあごの「狭さ」が顕著になり
気にされる方も少なくありません。
でもこのガタガタ。
以前のこちらのブログにも掲載した上下の歯の「噛み合わせ」の治療と比べると
そんなに緊急性がない方も多いです。
「緊急性がないと言われても、どこまで待ったいいの?」と思われますよね。
そんな時は、下の前歯の「乳歯の糸切り歯」を目印にして
お子様の口の中を観察してみましょう。
こちらの写真のように、下の前歯が4本、大人の歯に生え替わったら、お口を覗いてみましょう。
子供の糸切り歯は、真ん中に生えてきた大人の歯よりも白くて尖っているので、すぐにわかります。
この二本の「乳歯の糸切り歯」の間に、大人の歯が4本、並んでいますね。
この写真は、子供の糸切り歯よりも少し内側に、大人の歯が並んでいます。
つまり、「並びきっていない」状態です。
しかし、このくらいであれば、経過をみていくことが多いです。
成長とともに、並んでくる可能性もあります。
でも、下の写真のお子さんはどうでしょう。
上の写真と比べて、明らかに狭く、大人の歯が並ぶスペースが全くありません。
もちろん、早期矯正治療を始めるかどうかの基準はこれ以外にも多くあるのですが
「要注意」としてお家の方に気をつけていただきたいポイントの一つが
この「乳歯の糸切り歯」の間の「大人の前歯4本」の並び方です。
よくわからない!という方は、定期メインテナンスの時に、ご相談くださいね。
さて、前置きが長くなりましたが
今日は、重度の「ガタガタ」を早期治療で治療し、なんとも美しいスマイルを手に入れたお子さんをご紹介します。
初診時は、小学3年生の女の子。
先ほどの「基準」を思い出してください。
子供の糸切り歯の間に、4本の大人の前歯が並ばないばかりか
右側の1本はスペースが全くなく、はるか内側に生えてきていますね。
こうなると、将来の綺麗な歯並びは全く期待できません。
もちろん、下の前歯以外にも、将来の歯並びの不正を確信させる多くの症状が
このお子様には顕著に現れていました
早い治療が功を奏する典型的な例です。
シリコン型のマウスピースを利用して行う「MRC矯正」を始めると、たった数ヶ月で
このように、スペースができて乳歯の糸切り歯の間に4本の永久歯がおさまってきています。
さらに数ヶ月の治療と、その後の拡大治療を経て、十分なスペースが確保できたと判断し、経過観察に入りました。
現在小学6年生。
歯列が奥までしっかりと広がって、笑った時に奥の歯まできれいに見える
「ブロードスマイル」が出来上がっています。
ブロードスマイルとは
有名人を例にあげると
芦田愛菜さんや、渡辺直美さん、
海外の方だと、ジュリアロバーツさんなど。
笑顔がぱあっと輝くような方ばかりですよね。
これは、大人になってからの治療では得ることが難しい、本当に貴重なこと。
正常な顎の成長ができずに大人になってしまってから
並び切らない歯を「抜いて」歯を並べる方法では
歯は並んでいるように見えても
「ブロードスマイル」にはなることは難しく
個人差はありますが、年齢を重ねてから貧相な口元が目立ってくることがあります。
誰がみても美しい「ブロードスマイル」を作ることができるのは
1。生まれつき歯列を不正にする要素がなく、正常なあごの発達ができた方(矯正治療なし)
2。早いうちに歯列を不正にする要素を発見し、早期に治療できた方(早期から矯正治療あり)
この2者に限る、というわけです。
さて、いかがでしたか?
今回は、下の前歯のガタガタの治療を始める時期と基準をごく簡単にお話ししました。
まずは、下の前歯のガタガタが気になったら、歯科医院での定期メインテナンスの際
すぐに相談してみましょう。
将来の大きな問題を
事前に解決できるかもしれません。
今回も、症例として掲載を快く了承していただきましたご本人とお家の方に
心より感謝を申し上げます。