144回 ロンドンで診療中!!
ロンドンで歯科診療を開始して、あっという間に4ヶ月が経ちました。
歯科医院の1室を週に数日だけ借りて運営する「間借り診療」とはいえ、SNSや現地の各種媒体で周知を図り、在英 の日本人を中心に、多くの方にご来院いただくことができて、なんとか少しずつ形になってきました。

日本で3ヶ月ごとにやっていた定期メインテナンスをロンドンでも続けたい、という意識の高い方が多いのは本当に 嬉しい驚きでしたが、それとは真逆で、「渡英してから20年、歯科に行ってません・・・」というような強者が、当院の オープンを聞いて重い腰をあげてきてくれた、という嬉しいことも何度か。
さらには、「ロンドンに来てくれてありがと う」とお花を持ってきてくれた方や、有名なアンティークのバイヤーが視察中に詰め物が取れた!と駆け込んできたことも。
本当にたくさんの素敵な出会いに、飽きることがありません。
そんな中、渡英後何年もどこの歯科に行っていいか分からず放っておいた挙句、虫歯が進行して神経が炎症を起こしてしまい、痛くて大変、助けてほしい、と駆け込んできた日本の方がいました。
海外で、根の治療は高額です。
一般的な価格として、簡単な前歯で10万円、難しい奥歯なら20万円近くします。
なぜかって?
根の治療は非常に複雑で、高い技術が必要なのはもちろん、根の中で使用する治療機材を、全て使い捨 てにすることが法律で決められ、さらには最新の薬剤を惜しみなく使います。10万円いただいても、利益などあまり 出ないほどなのです。
その方には説明をし、痛い歯の根の治療費用に納得していただけました。
その時思うのが、日本の保険医療制度です。
大切なはずの根の治療に対する診療報酬があまりにも低いため、多くの歯科医院は 赤字覚悟で根の治療をしています。
しかし、さすがに高額な機材を使い捨てにしたり、良いと分かっていても高額な薬剤を使うのはさすがに難しいのが現状です。
デンタルスクエアに通う皆様が、何らかの理由で根の治療が必要になった際には、保険診療の枠を超えた自費の診療も考えていただきたいと思います。
そして何より、根の治療が必要になることがないように、定期メインテナンスでしっかりとチェックしていきましょう。
(文 松浦直美)

ロンドンの診療室で歯磨き指導