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気になる前歯のスキマ。なかったことにできたら、すごくないですか? 〜Case1~

こんにちは。「デンタルサロンの窓から」へようこそ。
デンタルスクエアもりおか青山 副院長の松浦直美です。

前歯に隙間がある。


このことにコンプレックスを持っている方は意外と多いです。


今日から何回かに分けて、前歯で目立つ隙間を閉じる方法の中でも、普段から私の医院でも人気が高く、また、インスタグラムでも反響が大きかった最も侵襲(体に対するダメージ)が少ないとされる治療方法について、お話します。

 


この方は、口呼吸などの習慣により、歯が少し飛び出てしまい、その結果として、隙間ができた状態。

もちろん、これはこれで「ご愛嬌」、歯と歯の間に隙間があっても、それを個性や美しさとして捉えるもの、全然アリです。

例えば下の写真。イギリス人モデルのジョージア・メイ・ジャガー。ミックジャガーの娘さんです。典型的な口呼吸の口元と、それに伴う前歯の離開がみられます。


それなのに、それがかえって、なんとも言えない色気と、忘れられないほどのインパクトがありますよね。これが口元キリリとした「普通の」美人さんだったら、モデルとしてこんなに成功することはなかったかもしれません。



もう一人、前歯の隙間がおしゃれな海外セレブ。スーパーモデルのジェシカ・ハート。



どうですか、歯の隙間など気にならないくらいのオーラがびしびしと伝わります。
実際に、本人はこのことになんのコンプレックスもないのか、むしろチャームポイントにしているようにも見えます。
(写真は「Cosmopolitan」HPより)


・・・・でももし、「この前歯の隙間が気になってしょうがない人がいたら」。

ここで、審美歯科の基本の基本。「本人が気にしているのかどうか」という質問が出てきます。


本人が気にしていて、前歯の隙間を閉じたいと思っている人がいれば、閉じる方法がある、しかも複数あることを知らせることは歯科医師の役目。


何しろ、ずっと気にしていたけど、前歯を閉じる方法が矯正治療しかないと思っている方がとにかく多いのですから。

コンポジットレジンによる閉鎖

一番時間とコストがかからず、体への侵襲のない方法はコンポジットレジンという材料を使って、歯と歯の間を埋めてしまう方法です。


虫歯の治療をしたことがある方なら、コンポジットレジンですでに治療したことのある方は多いと思います。いわゆる、「白い詰め物」です。保険治療でも広く使われている材料で、長い歴史があり、とても優れた材料です。

ちなみに、このコンポジットレジンが保険適用で使われている先進国は日本くらいではないでしょうか。海外ではちょっとした詰め物でも、数万円はゆうに超えるはずです。


まあ余談はさておき、国民保険のシステムがある国においての保険治療の基本は「病気を治すこと」。同じ材料を使っても、病気ではない(虫歯ではない)歯を、見た目の改善のために治療する場合は、美容整形と同じく自費治療になります。


もちろん、保険で使われるコンポジットレジンとは違う、審美歯科用に研究され尽くした材料を使用しますが、保険とは全く違う費用設定になるのは、患者さん側にもご理解いただかなければならない点です。


さて、前述の患者さんは、前歯の隙間をコンポジットレジンで閉じて、向かって左側の歯の出っ張りを少しだけ、形を修正(下写真の緑の部分)することで、自然な形に隙間を閉じることができるのではないかとデザインしてみました。


ごく数ミリ程、緑の部分の形を整えるための切削はありましたが、あとは歯を全く削らずに、コンポジットレジンを接着していきます。


保険で使用する材料とは一線を画すコンポジットレジン。(今回は「トクヤマ アステリア使用)
その「トクヤマ」製コンポジットレジンを使用して、終了した治療がこちら。

 


治療前と比べても、継ぎ目もわからず、ごく自然な形に仕上がるのが、本当に素晴らしい点です。麻酔なし、切削ほぼなし、そして治療時間40分です。


このような治療は、MI(Minimal Intervension:最小限の侵襲)治療と言われ、世界中で取り組まれている最新の歯科治療です。もちろん良いことばかりではなく、セラミックなどとちがい多少の経年劣化があり、メインテナンスで研磨をしたり、修正をしたりと言った「手入れ」が必要です。しかし、適切で最小限の手入れを行いながら、大きく歯を削ることなく、最後まで使うことができれば、それは素晴らしいことではないでしょうか。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。


症例写真は、患者さんのご厚意のもと、ご了承を得てブログで紹介させていただいております。ご協力に心より感謝いたします。